「DIE WITH ZERO」という考え方があります。
人生の最後にお金をたくさん残すのではなく、元気なうちに経験などにお金を使い、人生を豊かにしようという考え方です。
私は、この考え方にはかなり共感します。
せっかく一生懸命働いて貯めたお金なのですから、使わないまま人生を終えるより、自分がやりたいことに使った方がいい。
ただ、
「死ぬときに本当に資産をゼロにする必要があるのか?」
と聞かれたら、私はそうは思いません。
むしろ、現実的には無理だと思っています。
何歳まで生きるのか分かりませんし、これから何が起こるのかも分からないからです。
私はDIE WITH ZEROに共感します。
でも、資産ゼロで死ぬことを目標にはしません。
何歳まで生きるのか分からない
仮に、自分が90歳で死ぬことが分かっているとします。
それなら簡単です。
90歳までに必要なお金を計算して、少しずつ使っていけばいい。
最後にほとんど残らないように調整することもできるでしょう。
でも、実際にはそんなことはできません。
80歳で死ぬかもしれません。
100歳まで生きるかもしれません。
さらに、病気や介護でお金が必要になるかもしれません。
家の修繕が必要になるかもしれない。
物価が大きく上がるかもしれない。
これから何が起きるのかなんて分かりません。
そんな状況で、
「死ぬときに資産をゼロにする」
ことを本気で目指すのは、私には怖くてできません。
ある程度のお金を手元に残しておくのが普通ではないでしょうか。
80歳で5,000万円残っていても、私は後悔しない
例えば80歳になったとき、5,000万円の資産が残っていたとします。
「5,000万円も残してしまった。もっと使っておけばよかった」
と思うでしょうか。
私は、そうは思わないでしょう。
自分がやりたいことをやって生きてきた結果、5,000万円残ったのであれば、それでいい。
使い切るためにお金を使う必要はないからです。
欲しくもない高級車を買う。
行きたくもない高級ホテルに泊まる。
必要のないものを買う。
そんなことをしてまで、資産をゼロにすることに意味があるとは思いません。
大切なのは、いくら残ったかではない。
やりたいことを、お金があるのに我慢しなかったか。
私は、こちらの方が大切だと思っています。
私が後悔するとしたら「もっと使っておけばよかった」
人生の最後に、
「もっとお金を残しておけばよかった」
と、
「もっとお金を使って楽しんでおけばよかった」
のどちらか一つを後悔するとしたら、私は後者だと思います。
もっと旅行しておけばよかった。
行きたいところへ行っておけばよかった。
やりたいことをやっておけばよかった。
私は、そちらの方を後悔すると思います。
逆に、
「あと1,000万円多く残しておけばよかった」
とは、あまり思わない気がします。
そんなに残して何に使うのでしょうか。
私が先に亡くなれば妻にお金を残す必要はあります。
でも、その頃には妻も高齢になっているでしょう。
もちろん生活に困らないだけのお金は必要ですが、必要以上の大金を残すことまで目標にしなくていいと思っています。
子供には「遺産があればラッキー」くらいに思ってほしい
子供たちにも、私の財産を当てにしてほしいとは思いません。
自分たちの生活費は、自分たちで稼ぐ。
親の遺産については、
「残っていたらラッキー」
そのくらいに思っておいてほしいです。
だから、
「子供にたくさん財産を残さなければ」
と思って、自分がやりたいことを我慢するつもりもありません。
私たち夫婦がやりたいことには、お金を使う。
そのうえで残ったのであれば、子供や孫に渡せばいいと思っています。
自分で使わないなら、子供や孫が使えばいい
仮に80歳になって、まだ5,000万円残っていたとします。
もう旅行にもそれほど行きたくない。
欲しいものもない。
毎日の生活にも、それほどお金はかからない。
だったら、子供や孫に使ってもらえばいいと思っています。
孫の学費が必要な時期なら、学費に使えばいい。
孫がすでに独立しているのであれば、子供たちが旅行に使ってもいい。
生活費に使ってもいい。
何に使っても構いません。
私が必要としなくなったお金なら、そのお金を必要とする人が使えばいい。
その方がお金を有効に使えると思います。
ただし、お金が原因で家族がけんかすることだけは避けたいですね。
贈与や相続について、私は詳しくありません。
実際にそういう時期が来たら、専門家に相談しようと思っています。
遺言書も作っておきたいと思っています。
せっかく残したお金で家族の仲が悪くなったら、何のために残したのか分かりませんからね。
お金は残ってもいい。でも、争いの種は残したくありません。
「高いものを買う=浪費」ではない
DIE WITH ZEROという話をすると、
「それなら、どんどんお金を使えばいいのか」
となりそうですが、私はそうは思いません。
私にとって、お金を使う基準は非常に単純です。
自分が本当にやりたいかどうか。
例えば高級車が本当に欲しい人が、高級車を買う。
私は、それを浪費だとは思いません。
100万円かかる旅行でも、本当に行きたいのであれば、その人にとって価値のあるお金の使い方でしょう。
反対に、欲しくもない高級車を、
「周りからすごいと思われたい」
という理由だけで買う。
私なら、こちらを浪費だと考えます。
ホテルも同じです。
高級ホテルのサービスを楽しみたいのであれば、高い宿泊料金を払って泊まればいい。
でも、自分には必要のないサービスがたくさん付いているだけなら、私はそこにお金を使いたいとは思いません。
金額ではないんですよね。
100万円でも、自分にとって価値があれば使う。
1万円でも、自分にとって価値がなければ使わない。
もちろん、何でも好きなだけ使うという意味ではありません。
自分のライフプランの範囲内で、という前提です。
「いつか使えばいい」と思っていたら、同じ経験ができなくなった
最近、以前泊まったことのあるホテルの宿泊料金を見ました。
驚きました。
私が泊まったときの倍以上になっていました。
今の料金を見て、
「この値段なら、もう泊まらないかな」
と思いました。
そして同時に、
「あのとき旅行に行っておいてよかった」
と思ったんです。
これは、お金を使う時期を考えるうえで大切なことかもしれません。
お金は貯めておけば、10年後にも残っています。
でも、10年後に同じ金額で同じ経験ができるとは限りません。
ホテル代が倍になるかもしれない。
飛行機代も上がるかもしれない。
そして、お金だけの問題でもありません。
自分の体力が落ちているかもしれません。
食べられる量も減っているかもしれません。
長距離の移動がつらくなっているかもしれません。
「今は我慢して、老後になったら楽しもう」
という考え方もあります。
でも、その「いつか」が来たとき、今と同じように楽しめる保証はありません。
だから私は、今やりたいことを、何でも将来へ先送りする必要はないと思っています。
お金を使うこと自体が目的ではない
だからといって、
「若いうちに全部使ってしまえ」
とは思いません。
ここは大事です。
私は、お金を使うこと自体を目的にはしていません。
行きたいところがなければ、旅行しなくていい。
欲しい車がなければ、買わなくていい。
高級レストランに興味がなければ、普通のお店でいい。
使いたいことがなければ、お金は残しておけばいいんです。
私が避けたいのは、
「お金が減るのが怖い」という理由だけで、本当はやりたいことまで我慢することです。
そこを間違えたくありません。
私にとってのDIE WITH ZERO
私はDIE WITH ZEROという考え方に共感します。
でも、文字どおり資産をゼロにして死のうとは思っていません。
何歳まで生きるか分かりません。
これから何が起きるかも分かりません。
だから、ある程度のお金は残します。
一方で、
「将来何があるか分からないから」
と言って、何もかも我慢するつもりもありません。
行きたいところには行く。
やりたいことはやる。
本当に欲しいものなら買う。
自分に必要のないものには、見栄を張ってお金を使わない。
そして人生の終盤になって、それでもお金が残っていたら、子供や孫に使ってもらえばいい。
私は、それで十分です。
ゼロにするべきなのは、資産ではないのかもしれません。
人生の最後に、
「あのとき、やっておけばよかった」
という後悔を、できるだけゼロにする。
私にとっての「DIE WITH ZERO」は、そのくらいがちょうどいいと思っています。


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