年金は60歳と65歳、どっちからもらう?56歳の私が自分の場合で考えてみた

資金計画・ライフプラン

最近、YouTubeを見ていると年金の受給開始年齢についての動画をよく見かけます。

「年金は60歳から繰上げてもらった方がいい」

「繰上げ受給は損だから65歳まで待つべき」

「年金は長生きリスクに備える保険なのだから、できるだけ遅くもらった方がいい」

いろいろな意見があります。

私は現在56歳です。

49歳で早期退職して7年以上経ちましたが、年金をもらう60歳が少しずつ近づいてきました。

そこで、

「私は60歳と65歳、どちらから年金をもらった方がいいのだろう?」

と考えてみることにしました。

今のところ、私は60歳から繰上げ受給しようかなと思っています。

ただ、本当にそれでいいのか。

自分の場合で考えてみました。

私の65歳からの年金は約200万円

ねんきん定期便を見ると、私の65歳からの公的年金見込額は、税引前で年間約200万円です。

現在の制度では、私の年代が60歳ちょうどまで繰り上げると、1か月につき0.4%、最大24%減額されます。しかも、この減額は一生続きます。

単純計算すると、

65歳から受給 年間約200万円

60歳から受給 年間約152万円

となります。

年間48万円の差です。

こうやって見ると、

「一生48万円も少なくなるなら、65歳まで待った方がいいんじゃない?」

と思います。

私もそこが気になりました。

損益分岐点は約80歳10か月

まず税金などを無視して、単純な累計受給額を計算してみました。

60歳から受給すると、60歳から64歳までの5年間で、

152万円×5年=760万円

を先にもらえます。

65歳以降は、65歳受給の方が毎年48万円多くなります。

760万円÷48万円=約15.8年。

つまり、単純計算では80歳10か月くらいで65歳受給が追いつきます。

累計額を並べると、だいたいこうなります。

年齢60歳受給65歳受給差
65歳760万円0万円60歳が+760万円
75歳2,280万円2,000万円60歳が+280万円
80歳3,040万円3,000万円60歳が+40万円
85歳3,800万円4,000万円65歳が+200万円
90歳4,560万円5,000万円65歳が+440万円
95歳5,320万円6,000万円65歳が+680万円
100歳6,080万円7,000万円65歳が+920万円

100歳まで生きれば、65歳受給の方が920万円多くなります。

確かにこれは大きい。

でも私が気になったのは85歳です。

85歳まで生きても、差は200万円です。

これを見て私は、

「それだったら、やっぱり60歳からもらった方がいいかな」

と思いました。

60代の200万円と85歳の200万円は、私には同じではない

これは金額だけでは説明できないところです。

私は、若いうちにもらうお金の方が使い道が多いと思っています。

60代なら旅行にも行けます。

外食もできます。

何かやりたいことがあれば、お金を使えます。

使わなければ投資することもできます。

一方、85歳になったらどうでしょう。

もちろん元気な人もいるでしょう。

ただ、義理の父を見ていても、年齢とともに足腰は弱ってきます。

85歳になって200万円多く持っていたとしても、60代と同じようには使えないかもしれません。

もちろん逆の考え方もあります。

85歳になれば医療費がかかるかもしれない。

介護施設に入るかもしれない。

そういうときのために、終身でもらえる年金を増やしておく。

これはこれで非常に合理的だと思います。

年金はそもそも、長生きしてお金が足りなくなるリスクに備える保険という考え方もあります。

だから損益分岐点だけで決めるべきではない。

この考え方にも私は一理あると思っています。

「平均寿命」だけで考えるのも少し違った

最初、私は「平均寿命を考えれば」と思っていました。

ただ、ここは調べてみると少し違いました。

平均寿命は0歳時点の平均余命です。

すでに60歳まで生きた人があと何年生きるかを考えるなら、60歳時点の平均余命や、その後の生存率を見る方が適切です。

厚生労働省は毎年、年齢ごとの平均余命や生存状況を生命表として公表しています。最新の2025年簡易生命表でも、年齢ごとの平均余命や生存状況を確認できます。

ですから、

「平均寿命より長く生きそうにないから60歳受給」

と単純に考えるのも違うようです。

60歳からもらったお金を運用したら?

私は投資をしています。

そこで、もう一つ考えました。

60歳から年金を受け取れば、その分だけ自分の資産を生活費として取り崩さずに済みます。

そのお金は投資に残せます。

だったら、60歳から先にもらったお金の時間的な価値も考えた方がいいのではないかと思いました。

そこで年2%、3%、5%で運用できたと仮定して比較してみました。

税金や社会保険料、年金額の改定、運用課税などを考えない単純なシミュレーションです。

年齢年2%年3%年5%
65歳60歳が+791万円+807万円+840万円
80歳+235万円+365万円+710万円
85歳+9万円+168万円+641万円
90歳65歳が+240万円65歳が+60万円60歳が+553万円
100歳65歳が+818万円65歳が+631万円60歳が+298万円

私が一つの目安として考えた年3%なら、85歳時点でも60歳受給の方が約168万円多くなります。

逆転するのは88~89歳くらいです。

100歳まで生きれば、65歳受給の方が約631万円多くなります。

もちろん、

「投資すれば必ず3%で増えるから60歳受給が得」

と言うつもりはありません。

投資にはリスクがあります。

5%で何十年も運用できる保証もありません。

それに対して、65歳まで待つことで増える年金は、生きている限り受け取れます。

ここはまったく性質が違います。

私の場合、60歳から年金が入ること自体に意味がある

実は私が60歳受給に傾いている理由は、損得だけではありません。

私は49歳で早期退職してから、投資収益も生活を支える収入の一つにしています。

特に今はオプション取引でプレミアムを得ています。

ただし、投資収益は毎月同じではありません。

利益が多い月もあれば少ない月もあります。

どうしても、

「生活費を投資で補填しなければ」

という気持ちが多少あります。

これが60歳になると変わります。

私には公的年金とは別に、60歳から月380ドルの終身個人年金があります。

公的年金を60歳から受給すると約152万円。

個人年金は年間4,560ドルです。

仮に1ドル140円なら約64万円なので、合わせると年間約216万円になります。

私がライフプランで考えている基本生活費は、年間200万円です。

食費、光熱費など、基本的に生活していくためのお金です。

税金、健康保険、旅行などは別に計画しています。

為替によって個人年金の円換算額は変わりますが、60歳になれば、二つの年金で基本生活費に近い金額が入ってくることになります。

これは私にとって大きいです。

年金を生活のベースにして、投資利益は再投資する

60歳以降は、

年金=生活するための安定収入

投資利益=変動する収入

と分けたいと思っています。

公的年金と個人年金を生活のベースにする。

そしてオプションなどで利益が出たら、そのお金はできるだけ次の投資へ回す。

そうすれば、

「今月は生活費を稼がなければ」

と投資に余計なプレッシャーをかけなくて済みます。

これは私にとって、かなり大きな安心感になると思っています。

だから私は、資産が増えて年金を必要としない状態になっていたとしても、今のところ60歳からもらおうと考えています。

使わなければ運用すればいいからです。

税金を考えるとどうなる?

もう一つ気になるのが税金です。

公的年金は原則として雑所得になりますが、「公的年金等控除」があります。

そして、この控除は65歳未満と65歳以上で違います。国税庁の資料でも年齢区分によって計算方法が分かれています。

ですから、

「60歳152万円と65歳200万円では48万円違うから、手取りも毎年48万円違う」

とは限りません。

住民税や国民健康保険料なども関係します。

さらに私には個人年金と投資収益があります。

生命保険契約による個人年金についても、受取額全部がそのまま所得になるわけではなく、対応する払込保険料を必要経費として差し引いて雑所得を計算する仕組みがあります。

私が実際に60歳になるのはまだ先です。

その頃には税制や社会保険制度が変わっている可能性もあります。

そのため、今の制度で手取り額を細かく計算しても、そのまま使えるとは限りません。

60歳になる直前に、その時点の制度でもう一度計算するつもりです。

60歳繰上げで気になる「障害年金」

そして、60歳からの繰上げ受給を調べていて、私が少し気になったのが障害年金です。

YouTubeでも、

「繰上げ受給すると障害年金がもらえなくなる」

という話を見かけます。

ここは単純に「全部もらえなくなる」と考えるのは正確ではありませんが、繰上げ請求後は、事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求できなくなる場合があります。

これは60歳繰上げの明確な注意点です。

ただ、私は今のところ、

「障害年金がもらえなくなる可能性があるから、60歳繰上げはやめよう」

とまでは思っていません。

将来自分が障害年金の対象になるかは分かりません。

実際に対象になった場合に老齢年金とどのくらい金額差が出るかも、その人の条件によって違います。

だから私は、これだけを理由に65歳まで待つという判断には、今のところなっていません。

ただし、60歳になったときに何らかの病気を治療していたり、障害年金につながる可能性のある状態だったりすれば話は別です。

そのときは年金事務所などで確認してから判断した方がいいと思っています。

制度が変わる前にもらっておきたい気持ちもある

もう一つ、これは理屈というより私の気持ちです。

年金制度はこれからも変わる可能性があります。

もちろん、すでに受給している人の制度が絶対に変わらないという保証もありません。

それでも私は、

「もらえるようになったら、できるだけ早くもらっておきたい」

という気持ちがあります。

これも60歳受給に傾いている理由の一つです。

今のところ、私は60歳からもらうつもり

ここまで自分の場合で考えてみましたが、今のところ結論は変わりませんでした。

私は60歳から公的年金を繰上げ受給しようと考えています。

理由は一つではありません。

損益分岐点だけでもありません。

若いうちにもらったお金の方が使い道が多い。

必要なければ運用できる。

60歳から安定収入が入ることで、投資で生活費を稼がなければという気持ちを軽くできる。

さらに私には別の終身個人年金があります。

こうした条件を全部考えると、私には60歳受給の方が合っているように感じています。

ただし、これは**「60歳から年金をもらうのが一番得」という話ではありません。**

65歳受給にも大きなメリットがあります。

65歳以降、一生年48万円ほど多く受け取れる。

長生きしたときには、その差が積み重なります。

投資がうまくいかなかったとしても、終身の年金額は大きい。

長生きリスクへの保険として考えるなら、65歳まで待つという選択にも十分な理由があります。

だから結局、

年金は何歳からもらうのが正解なのかではなく、自分が何を大切にするのか

なのだと思います。

私は今のところ、

「85歳、90歳になってから多くもらうことより、まだ元気な60代からお金を受け取りたい」

という考えです。

ただ、まだ56歳です。

60歳になるまでには制度も変わるかもしれませんし、私自身の資産や健康状態も変わっているかもしれません。

60歳になったとき、もう一度計算します。

そのときにも同じ結論なら、私は60歳から年金をもらおうと思っています。

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