先日、ちょっと気になる記事を読みました。
タイトルは、
「貯金が減るのが怖かったんです。貯蓄5500万円、年金月22万円、71歳男性。退職後も節約を続け、妻との別れを経て変わったお金の使い方」
というものでした。
この記事に出てくる男性は、現役時代から夫婦ともに倹約家だったそうです。
退職時には約6000万円の資産があり、年金も月22万円。
それでも、
「80代になったら何があるか分からない」
「介護施設に入るかもしれない」
と考え、できるだけ資産には手をつけない生活を続けていました。
そんな中、奥さんが北海道をゆっくり旅行したいと言います。
夫婦で20万円以上かかる。
男性も北海道には興味があったそうですが、
「来年でも行ける」
と、その年は見送ります。
翌年には給湯器の交換、その次には車検。
結局、北海道旅行は先送りされました。
その後、男性が69歳のとき、奥さんが病気で亡くなります。
残った資産は5500万円。
男性はそれを見て、
「こんなに残す必要があったのかな」
と思ったそうです。
「貯金が減るのが怖い」という気持ちはよく分かる
この記事を読んで最初に思ったのは、
この男性の気持ちはよく分かるな
ということでした。
6000万円も持っている。
年金も月22万円ある。
おそらく普通に生活していれば、それほど貯金を取り崩さなくても暮らせたのではないでしょうか。
それでも、貯金が減るのが怖い。
これは私にも分かります。
私は早期退職していますので、給料はありません。
そのため、銀行口座の残高が減れば、
「ああ、減ったな」
と思います。
来年、妻と北海道へ旅行する予定です。
私の場合は福岡からですし、4泊5日を予定していますので、おそらく50万円くらいはかかると思います。
旅行から帰ってきて、預金残高が50万円減っていたらどう思うか。
たぶん私は、
「ああ、50万円減っちゃったな」
と思います。
これが正直な気持ちです。
それでも私は北海道へ行く
では、貯金が減るのが嫌だから北海道旅行をやめるのか。
私は行きます。
すでにホテルも予約しています。
実は、この北海道旅行は私が行きたいと言ったわけではありません。
妻が行きたいと言ったからです。
私は長時間飛行機に乗るのがあまり得意ではありません。
どちらかといえば、車で行ける近場を旅行するほうが好きです。
だから、私自身が北海道にどうしても行きたいわけではありません。
それでも妻が、
「北海道に行きたい」
と言うのであれば、できることなら叶えてあげたい。
そう思っています。
50万円減れば、
「ああ、50万円減った」
と思うでしょう。
でも、妻が喜んでくれれば、
「行ってよかったな」
とも思う。
どちらも私の本音です。
私なら「行かなかったこと」を後悔すると思う
元の記事の男性は、北海道旅行へ行かなかったこと自体を強く後悔しているわけではないそうです。
ただ、
「あの20万円をそんなに惜しむ必要があったのかな」
とは思ったそうです。
もし私が同じ立場だったら、少し違うと思います。
私はたぶん、
「あのとき行っておけばよかった」
と後悔します。
そして、それ以上に、
「妻が行きたいと言っていたのに、お金を理由に断ってしまった」
ということを申し訳なく思うでしょう。
もちろん、本当にお金がなければ仕方ありません。
20万円使ったら生活に困る。
老後資金が足りなくなる。
それなら行けないでしょう。
でも、十分な資産があって、将来の生活にも問題がない。
それなのに、
「お金が減るのが嫌だから」
という理由だけで妻の希望を断り、その後一緒に行けなくなってしまったとしたら。
私はかなり後悔すると思います。
「来年でも行ける」とは限らない
今回の記事で一番考えさせられたのは、
「来年でも行ける」
という言葉でした。
確かに来年でも行けるかもしれません。
でも、来年も再来年も、今と同じ状況とは限りません。
自分が病気になるかもしれない。
妻が病気になるかもしれない。
足腰が弱って旅行が大変になるかもしれない。
そして、自分たちだけの問題とも限りません。
実は、私たち夫婦にも最近少し事情の変化があります。
妻の両親が高齢になってきました。
今後、介護などが必要になる可能性もあります。
そうなれば、数年間、今のように自由に旅行へ行けなくなるかもしれません。
そこで来年は、北海道だけではなく宮古島にも行くことにしました。
ライフプラン上は、ちょっと使いすぎ
本来の私のライフプランから考えると、来年に北海道と宮古島の両方へ行くのは、少し使いすぎです。
私はこれまで、
「ライフプランの範囲内なら、やりたいことにはお金を使う」
という考えでやってきました。
その考えは今も変わっていません。
ただ、今回は少し考え方を変えました。
この先、自由に旅行できなくなる可能性がある。
それなら、将来使う予定だった旅行費を少し前倒ししてもいいのではないか。
そう考えました。
もちろん、何年分も何年分も前倒しするつもりはありません。
せいぜい1年分。
頑張っても2年分くらいでしょう。
さらに今年は投資から得た利益もあります。
そうしたことも考えて、
「来年、宮古島にも行こう」
と決めました。
ライフプランは守るためだけのものではない
ここで私自身、少し考え方が変わったのかもしれません。
ライフプランというと、
「今年は旅行費○万円」
「来年は○万円」
と決め、その金額を超えないように生活するものだと思いがちです。
もちろん、それも大切です。
でも人生のほうが、計画どおりにはいきません。
家族の状況も変わります。
健康状態も変わります。
「5年後に行こう」
と思っていても、5年後には行けなくなっているかもしれません。
だったら、状況が変わったときにはライフプランのほうを変えてもいい。
私はそう思います。
将来使う予定だったお金を、今使う。
その代わり、後の年で調整する。
これなら、ライフプランを無視しているわけではありません。
人生の変化に合わせて、ライフプランを修正しているだけです。
だからといって「老後はどんどん使え」とは思わない
こういう話になると、
「老後はお金を残しても仕方がない」
「元気なうちにどんどん使ったほうがいい」
という話になりがちです。
私は、そこまで単純ではないと思っています。
80代になれば介護費用が必要になるかもしれない。
家の修繕もある。
家電も壊れる。
病気になるかもしれない。
長生きするかもしれない。
だから、ある程度のお金を残しておくことは大切です。
私自身、将来のお金を全部使ってしまおうとはまったく思いません。
だからこそ大切なのは、
「いくらまでなら使っていいのか」
という線を自分で決めておくことではないでしょうか。
線がないから、いくらあっても使えない
今回の記事の男性は、6000万円の資産がありました。
それでも、
「将来もっと必要になるかもしれない」
と考えていました。
この気持ちは本当によく分かります。
でも、この考え方には終わりがありません。
6000万円あっても不安。
7000万円あっても、
「介護施設に入ったらどうしよう」
と思うかもしれません。
8000万円あっても、
「100歳まで生きたらどうしよう」
と思うかもしれない。
将来何が起こるか分からない以上、
「絶対にこれだけあれば大丈夫」
という金額を作るのは難しいと思います。
だから私は、ライフプランを作っています。
将来必要になりそうなお金をある程度計算する。
家の修繕費なども考える。
旅行費も考える。
そのうえで、
「ここまでは使っていい」
という線を作る。
そうすれば、お金が減るのが怖くなくなるわけではありません。
私だって50万円使えば、
「50万円減ったな」
と思います。
でも、
「これは使っても大丈夫なお金だ」
と確認することはできます。
この違いは大きいと思います。
お金はあっても、時間がなくなることがある
今回の記事を読んで、改めて思いました。
老後に必要なのは、お金だけではありません。
お金があっても、できないことがあります。
6000万円あっても、妻がいなくなれば夫婦で北海道旅行には行けません。
お金は残っています。
でも、時間は戻ってきません。
だからといって、将来のことを考えずに今全部使ってしまうのも違う。
私は、
将来のためのお金を残しながら、今しか使えないお金は今使う。
そのバランスを取りたいと思っています。
そのために必要なのが、私にとってはライフプランです。
そして、ときにはその計画を前倒ししてもいい。
来年の北海道旅行で50万円使えば、
私はきっと、
「ああ、50万円減ったな」
と思うでしょう。
でも隣で妻が、
「北海道に来てよかったね」
と喜んでくれたら、
私もきっと、
「50万円使ったけど、来てよかったな」
と思うはずです。
貯金が減るのは、今でも怖い。
でも、お金を残すことだけを考えて、できることを先送りするのも怖い。
だから私は、
「いくら残すか」だけではなく、「いつ、何に使うか」まで決めておきたい。
今回の記事を読んで、そんなことを考えました。

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