若いころと今では、お金の使い方がずいぶん変わったように思います。
昔より節約するようになった、ということではありません。
むしろ今は、自分が価値を感じるものなら、それなりにお金を使います。
ただ、いろいろなものにお金を使ってきた結果、
「高いものを買えば、それだけ満足できるわけではない」
ということが、少しずつ分かってきました。
そして56歳になった今は、自分がどこにお金を使えば満足するのかも、昔より分かるようになってきた気がします。
若いころは、大きな車に乗りたかった
結婚してから乗ってきた車を思い出すと、
イプサムを2台、その後エスティマ、カムリ、そして現在は軽自動車です。
一番高かったのは、おそらくカムリだったと思います。記憶では500万円くらいだったでしょうか。
もしかするとエスティマの方が高かったかもしれません。昔のことなので、正確には覚えていません。
若いころは、大きな車に乗ってみたかったんですよね。
ワンボックスタイプの車が格好いいと思ってイプサムに乗り、さらに大きな車が欲しくなってエスティマにしました。
当時は子供もいましたから、大きな車には実用性もありました。遠出をするときなどは、やはり便利でした。
ですから、今になって「あのお金は全部無駄だった」とは思いません。
あれはあれで良かったと思っています。
ただ、実際にいろいろな車に乗ったからこそ、分かったこともあります。
500万円の車でも、うれしいのは最初だけだった
欲しかった新車を買ったときは、ものすごくうれしいんです。
新しい車が家に来て、これからこの車に乗れると思う。
ところが、私の場合、そのうれしさがあまり長く続きません。
1年も続かないんじゃないでしょうか。
いつの間にか、それが普通になります。
もちろん高い車には高い車の良さがあります。
ただ、何百万円も払ったからといって、その分だけ満足感が何年も続くわけではありませんでした。
今の私は、買い物に行ったり、近所へ食事に行ったりするくらいしか車を使いません。
それなら軽自動車で十分です。
母が生きていたころは、買い物や病院へ連れて行くこともありました。
カムリのような車はシートが低く沈み込むので、高齢の母には立ち上がりにくかったようです。
むしろ軽自動車の方が乗り降りしやすそうでした。
今の私の生活には、軽自動車の方が合っています。
だからといって、高い車を二度と買わないわけではない
では、私はもう高い車には興味がないのか。
そう言われると、ちょっと違います。
私は今でも車は好きです。
例えば資産が2億円、3億円あって、1,000万円の車を買って、その後の維持費を払っても生活にほとんど影響しない。
そして、本当に欲しい車がある。
そんな状況なら、もしかすると1,000万円の車を買うかもしれません。
ただ、今の私にとって500万円の車は大きな支出です。
その500万円を使って得られる満足と、資産に与える影響を考えれば、今ならおそらく軽自動車を選びます。
500万円を使うのであれば、私は旅行や食事に使う方がいいですね。
結局、高いか安いかだけではなく、払うお金と自分が得られる満足が釣り合っているかなのだと思います。
700gで1,200円くらいのコーヒーで十分
私はコーヒーをよく飲みます。
今飲んでいるコーヒーは、700gで1,200円くらいです。
かなり安いと思います。
でも、私はこれで十分なんです。
もっと高いコーヒーを買えば、もっとおいしいものもあるのでしょう。
それでも、私の場合は今のコーヒーで満足しています。
だったら、無理に高いものへ変える必要もありません。
一方で、私がお金をかけるものもあります。
その一つが靴です。
靴は、できるだけ良いものを買う
散歩をするときや、旅行でたくさん歩くときに履くスニーカーは、できるだけ良いものを買うようにしています。
私は膝に少し痛みがあります。
そのため、クッション性はかなり気になります。
ここは安さだけで選びません。
多少高くても、自分が歩きやすいものを選びます。
コーヒーにはそれほどお金をかけない。
車も今なら軽自動車でいい。
でも靴にはお金をかける。
一見するとバラバラですが、私の中では同じ基準です。
お金をかけることで、自分にとって意味のある違いが生まれるかどうか。
そこを見ているのだと思います。
ホテルは食事よりも部屋にお金を使いたい
旅行でも同じです。
私はホテルを選ぶとき、部屋の新しさと広さをかなり気にします。
古いホテルには、あまり泊まりません。
ビジネスホテルでも、できれば20㎡以上は欲しいですね。
例えば20㎡の部屋が1万円、40㎡の部屋が2万円だったとします。
旅行全体の予算に余裕があるなら、私は2万円の40㎡を選ぶと思います。
一方、夕食を豪華にするために1万円追加するのであれば、私は部屋の方に使います。
最近はホテルの夕食も、できるだけ付けないようにしています。
以前は夕食付きの宿にも泊まっていました。
でも、決められた時間に食事をしなければならなかったり、食べるのに時間がかかったり、お腹いっぱいになって全部食べられなかったり。
経験していくうちに、
「自分たちは、ここにそれほどお金をかけなくてもいいんじゃないか」
と思うようになりました。
その代わり、部屋が広くて快適なら、そちらにはお金を払いたい。
これは何度も旅行をしたから分かったことです。
年を取って、自分が何を求めているのか分かってきた
こういうお金の使い方になったのは、早期退職したからではないと思います。
年を取って、いろいろ経験したからでしょう。
若いころは、自分が何に満足するのか、今ほど分かっていませんでした。
だから、欲しい車を買ってみる。
大きな車にも乗ってみる。
夕食付きのホテルにも泊まってみる。
実際にお金を使って経験してみる。
その結果、
「これは自分には必要ないな」
「これはお金を払ってでも欲しいな」
というものが少しずつ分かってきました。
だから、若いころのお金の使い方を無駄だったとは思いません。
その経験があったから、今の自分の基準ができたのだと思います。
高いものを買うと、期待まで高くなる
もう一つ、年を取って感じるようになったことがあります。
それは、
値段が高くなると、こちらの期待まで高くなる
ということです。
ホテルでも、高い料金を払えば、
「これだけ払ったんだから、きっと良いだろう」
と思います。
ところが、実際に泊まってみると、それほどでもないことがあります。
リフォームして新しく見えても、実際に泊まってみると期待したほどではなかった、ということもあります。
反対に、比較的安いホテルなら、
「まあ、この値段ならこんなものかな」
と思える。
期待が低かった分、意外と満足することもあります。
高いものが悪いわけではありません。
安いものが良いわけでもありません。
ただ、
「高いんだから良いはずだ」
と最初から期待を上げすぎない方がいいのではないかと、私は思うようになりました。
旅行は失敗しても、次の経験になる
旅行では、今まで「完全に無駄だった」と思ったことはほとんどありません。
もちろん失敗はあります。
ホテルが思っていたより古かった。
清潔感がいまひとつだった。
期待していたほどではなかった。
そんなことはあります。
でも、それも経験になります。
「次はこういうホテルは選ばないようにしよう」
と次の旅行に生かせます。
そして、一度の旅行で何百万円も使うわけではありません。
失敗したとしても、私の場合は落ち込む度合いが小さいんです。
これが500万円の車だったら、かなり違います。
500万円払ってから、
「思っていたのと違ったな」
となれば、私ならかなり落ち込むと思います。
だから今の私は、大きなお金を一つのものに使うより、小さく何度も経験に使う方が合っているのかもしれません。
ただ、失敗しないことばかり考えるのも怖い
一方で、こういう考え方にも欠点があります。
経験を重ねると、自分が満足できるものが分かってきます。
すると、どうしても知っているものばかり選ぶようになるんです。
以前泊まって良かったホテル。
いつも飲んでいるコーヒー。
自分が満足できると分かっている店。
そこにお金を使えば、失敗する可能性は低くなります。
でも、そればかりでは退屈になってしまいます。
新しいホテルに泊まったら、今までより良いかもしれません。
新しい店に入ったら、ものすごくおいしいかもしれません。
それは試してみなければ分かりません。
だから最近は、新しいものも選ぶようにしています。
ただし、そのときは期待しすぎない。
「まあ、失敗してもしょうがない」
くらいで行く。
期待より悪かったとしても、
「まあ、そんなもんでしょう」
くらいで済ませる。
その方が、新しいものにも挑戦しやすいように思います。
自分が納得できるところにお金を使えばいい
56歳になって思うのは、お金の使い方に正解はないということです。
1,000万円の車を買って大満足する人もいるでしょう。
高級なコーヒーが毎日の楽しみという人もいるでしょう。
旅行なら、部屋より料理にお金をかけたい人もいると思います。
それでいいんですよね。
私の場合は、
車は今なら軽自動車で十分。
コーヒーも安いもので十分。
でも靴にはお金をかけたい。
ホテルなら食事より、広くて新しい部屋にお金を使いたい。
それが、いろいろ経験してきた今の私の答えです。
大切なのは、高いものを買ったか、安く済ませたかではないのでしょう。
そのお金を使って、自分が納得できたか。
そして、納得できるものだけに固まりすぎず、ときには「外れてもしょうがない」と新しいものを試してみる。
今の私は、そのくらいのお金の使い方がちょうどいいと思っています。


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