「定年したらやろう」では遅いかもしれない。やりたいことには“今の熱量”がある

時間の使い方・マインドセット

会社員だったころ、私は釣りが好きでした。

いつか会社を辞めたら、やってみたいことがありました。

車で福岡県外まで行って、ホテルに泊まりながら堤防で釣りをする。

1泊ではなく、何日か滞在しながら釣りをする。

仕事をしているとなかなかできません。

だから、

「退職して時間ができたらやろう」

と思っていました。

実際、49歳で早期退職してから、しばらくは釣りをしていました。

ところが今は、もうやっていません。

退職して7年以上たった今、このことを考えていて一つ思ったことがあります。

やりたいことって、「いつか」やりたいのではなく、「今」やりたいんじゃないか。

「定年したらやろう」と思っていた

会社員には時間の制約があります。

土日だけでできることならいいですが、何日も必要なことは難しくなります。

私がやりたかった県外での釣りもそうでした。

車で県外まで行く。

ホテルに泊まる。

何日か釣りをする。

時間を気にせずゆっくり帰ってくる。

こういうことは、会社員にはなかなか難しい。

だから私は、退職後にやろうと思っていました。

当時は、それでいいと思っていました。

退職すれば時間はいくらでもあります。

その時に好きなだけ釣りをすればいい。

ところが実際に退職してみると、少し違いました。

時間ができても、ずっとやりたいとは限らない

退職後、私は実際に釣りをしました。

数年間は続けました。

会社に行く必要はありませんから、平日でも釣りに行けます。

時間という意味では、会社員時代より圧倒的に自由です。

でも、そのうちやらなくなりました。

時間がなくなったわけではありません。

今でも時間はあります。

それでも釣りには行っていません。

つまり、

時間ができれば、やりたいことをずっとやり続けるわけではない

ということです。

やりたいという気持ちそのものが変わるからです。

やりたいことには「その時の熱量」がある

「やりたいことには賞味期限がある」

という言い方もできるのかもしれません。

でも、私の感覚では少し違います。

賞味期限というより、

その時その時で熱量が違う

という感じです。

今はものすごくやりたい。

でも5年後には、それほどでもないかもしれない。

10年後には、まったく興味がなくなっているかもしれない。

反対に、さらに熱量が上がっている可能性もあります。

それは、その時になってみないと分かりません。

だから、

「今はできないから、定年したらやろう」

と考えても、定年した時の自分が同じようにやりたいと思っている保証はありません。

時間はできた。

お金もある。

でも、

「もう別にいいかな」

となっている可能性もあるわけです。

「今やりたい」と「定年後もやりたい」は同じではない

例えば45歳の人が、

「北海道を1週間くらい旅行してみたい」

と思っているとします。

でも、

「仕事もあるし、お金ももったいない。60歳で定年したらゆっくり行こう」

と考えている。

私は、それが悪いとは思いません。

ただ、15年後の60歳になった時に、今と同じ熱量で北海道へ行きたいと思っているかどうかは分かりません。

もしかすると、

「飛行機に乗って北海道まで行くのは面倒だな」

と思っているかもしれない。

別の場所へ行きたくなっているかもしれない。

そもそも旅行への興味自体が薄くなっているかもしれません。

それなら、1週間の休みが取れる会社なら、

「今行ってもいいんじゃない?」

と私は思います。

何でも今すぐやれ、という話ではない

もちろん、

「やりたいと思ったら、何でも今すぐやるべきだ」

と言いたいわけではありません。

例えば突然、

「世界一周したい」

と思ったとします。

そのために何百万円も必要になる。

会社を3か月休まなければならない。

普通の会社員なら難しいでしょう。

生活を壊してまで、今の熱量だけで突っ走ればいいとは思いません。

でも、有給休暇を数日取ればできる。

少しお金を使えばできる。

生活にも大きな影響はない。

そのくらいなら、

わざわざ定年まで先送りしなくてもいいんじゃないか

と思います。

1週間が取れるなら、今行けばいい

会社によって違うでしょうが、1週間くらい休める人もいると思います。

それなら、

「定年したら旅行しよう」

ではなく、今行ってもいい。

もちろん仕事の都合もあります。

家族の事情もあります。

お金の問題もあります。

だから、何でもできるわけではありません。

それでも、

今できる範囲でやる

という考え方はあっていいと思います。

全部できなければ、一部でもいい。

大きな無理をする必要はありません。

でも、できるのに「定年後のお楽しみ」にしてしまう必要もないと思います。

私は49歳で時間を手に入れた

私は49歳で会社を辞めました。

もし60歳まで働いていたら、県外へ行ってホテルに泊まりながら釣りをするのも、もっと先になっていたかもしれません。

でも実際には49歳で時間を手に入れ、釣りをしました。

そして数年後にはやらなくなりました。

だからこそ今思います。

もし60歳まで取っておいたら、どうなっていたんだろう。

60歳になった私が、

「さあ、これから好きなだけ釣りをするぞ」

と思ったかどうかは分かりません。

もしかすると、時間を手に入れたころには、すでに釣りへの熱量がなくなっていたかもしれません。

そう考えると、やりたい時期にやれたのはよかったと思います。

「いつか」ではなく「今」やりたいのかもしれない

人は変わります。

好きなものも変わります。

興味も変わります。

体力も変わります。

そして、やりたいことへの熱量も変わります。

だから、

「時間ができたらやろう」

「定年したらやろう」

と考えていることがあるなら、一度考えてみてもいいと思います。

本当に定年後にやりたいのか。

それとも、

本当は今やりたいのか。

今できないことなら仕方ありません。

でも、少し休みを取ればできる。

少しお金を使えばできる。

生活を壊すほどの無理でもない。

それなら、今やってみてもいいんじゃないでしょうか。

15年後にも同じ熱量が残っているかどうかなんて、誰にも分かりません。

私自身、退職したらずっとやると思っていた釣りを、今はやっていません。

やりたいことは、ずっと同じではありません。

やりたいと思っている「今の熱量」は、今しかない。

だから私は、やれる範囲であれば、やりたいと思った時にやっておくのがいいんじゃないかと思っています。

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