早期退職について調べていると、
「退職後にやりたいことを決めておいた方がいい」
「趣味がないと暇になる」
「仕事を辞める前に、生きがいを見つけておいた方がいい」
そんな話を聞くことがあります。
確かに、退職後にやりたいことがたくさんある人なら、それはそれでいいと思います。
旅行に行きたい。
趣味を楽しみたい。
資格の勉強をしたい。
やりたいことを10個くらい書き出して、それから会社を辞める。
それで本人が安心できるのであれば、いい準備だと思います。
でも、私は違いました。
私は49歳で早期退職しましたが、退職後に何をするのか、ほとんど何も決めていませんでした。
それでも会社を辞めました。
なぜなら、私の場合、
何かをするために会社を辞めたわけではなかったからです。
ただ、とにかく会社を辞めたかったのです。
「退職したら暇になるかも」という発想すらなかった
会社を辞める前、
「退職したら暇になるんじゃないか」
と心配したことはありませんでした。
というより、そんなことを考える心境ではなかったのだと思います。
とにかく会社を辞めたかった。
もし会社を辞めて、本当に毎日暇になったとしても、
会社で仕事をするくらいなら、暇な方がいい。
当時の私は、そのくらい会社で働くことが嫌でした。
だから、
「退職後にやりたいことがないから、まだ辞めない方がいい」
と誰かに言われても、おそらくまったく聞き入れなかったと思います。
私からすれば、
「なぜ会社を辞めるために、次にやることを決めなければならないの?」
という感じです。
私は「次のこと」をするために辞めたわけではない
例えば、
「会社を辞めて独立したい」
「会社を辞めて店を始めたい」
「会社を辞めて別の仕事をしたい」
というのであれば、話は違います。
次にやることが目的で会社を辞めるわけですから、当然その準備は必要でしょう。
でも、私は違いました。
私は次に何かをするために会社を辞めたのではありません。
会社で仕事をするのが嫌だったから辞めたのです。
だから、次のことが決まっているかどうかは、私にとって会社を辞めることとは関係ありませんでした。
仕事を辞めたら何をするのか。
趣味はあるのか。
生きがいはあるのか。
そんなことより、
「もう会社で働きたくない」
という気持ちの方が、はるかに強かったのです。
それでも、辞めてから暇だとは思わなかった
実際に会社を辞めてみてどうだったか。
意外と、やることはありました。
会社員時代からブログを書いていましたし、投資もしていました。
退職後も、それを続けました。
特に投資については、会社員時代とは比べものにならないくらい時間を使うようになりました。
朝から晩まで、いろいろな投資手法を考える。
思いついた方法が本当に有効なのか、バックテストをする。
また別の方法を考える。
そんなことをかなりの時間やっていました。
これは、会社員を続けながらでは絶対にできなかったと思います。
仕事を辞めたことで、大量の自由な時間ができた。
その時間があったからこそ、投資について深く考えることができました。
家庭菜園も、辞めてから何となく始めた
今では家庭菜園もしています。
でも、これも、
「早期退職したら家庭菜園をしよう」
と前から計画していたわけではありません。
会社を辞めた後、
「やってみようかな」
と、ふと思って始めただけです。
つまり私の場合、
やりたいことを見つけてから、会社を辞めたわけではありません。
会社を辞めて時間ができた。
その時間の中で、それまでやっていたことを深くやるようになったり、新しいことを始めたりした。
順番が逆だったのです。
時間がなければ「やりたいこと」も出てこないのかもしれない
会社員時代の私は、仕事にかなりの時間を使っていました。
そんな生活の中で、
「退職後に何をしたいんだろう?」
と考えても、なかなか答えは出てこなかったかもしれません。
でも、それは本当に「やりたいことがない」からなのでしょうか。
もしかすると、やりたいことを探す余裕すらないのかもしれません。
新しいことを試してみる時間がない。
興味を持ったことを一日中調べてみる時間もない。
今やっている趣味を、もっと深く掘り下げる時間もない。
会社を辞めると、その時間が一気にできます。
私の場合は、その時間を投資に使いました。
そして家庭菜園も始めました。
だから、
「やりたいことがあるから時間を作る」
だけではないと思っています。
「時間ができたから、やりたいことが出てくる」
ということもあるのではないでしょうか。
会社に行かなくていい。それだけで毎日嬉しかった
退職直後のことを思い出すと、とにかく解放感がありました。
毎日嬉しかったです。
「楽しい」というより、**「嬉しい」**という感覚の方が近かったと思います。
朝起きても会社に行かなくていい。
今日は何時までに何をしなければならない、というものがない。
自分の時間を自分で自由に使える。
それだけで嬉しかった。
別に毎日旅行をしていたわけではありません。
ものすごく楽しい趣味を見つけたわけでもありません。
それでも、
「今日も会社に行かなくていい」
というだけで嬉しかったのです。
だから私にとっては、退職後に何をするかよりも、会社で働かなくていいことの方が重要だったのだと思います。
7年以上たつと、さすがに解放感は薄れた
そんな生活も7年以上続いています。
さすがに退職直後のような、
「今日も会社に行かなくていい!」
という強烈な解放感は薄れました。
今の生活が普通になったからです。
それでも、ときどき会社員時代を強く思い出す時期があります。
ゴールデンウィークやシルバーウィークなどの長期休暇です。
会社員だったころ、長期休暇はもちろん嬉しかったです。
でも、休みが終わりに近づくにつれて気分が落ちていく。
そして最後には、
「ああ、また仕事が始まるのか……」
となる。
今は、それがありません。
長期休暇になると、今の生活がもっと嬉しくなる
ゴールデンウィークになっても、シルバーウィークになっても、私は休みが終わることを気にする必要がありません。
そんな時期になると、
「もし、あのまま会社で働いていたらどうだっただろう」
と考えることがあります。
おそらく私は、この時間を憂鬱な気持ちで過ごしていただろう。
それが簡単に想像できます。
会社を辞めて7年以上たっても、当時の感情をまだ覚えているからです。
そして会社員だったころの自分と今の自分を比べる。
すると、普段は当たり前になっている今の生活が、改めて嬉しくなります。
「ああ、今の生活でよかったな」
と思うのです。
「暇になるのが怖い」なら、無理に辞めなくてもいい
だからといって、
「退職後にやりたいことなんて考える必要はありません」
と言いたいわけではありません。
人によって違うと思うからです。
退職後にやりたいことを10個書き出したいのであれば、書き出せばいい。
趣味を作ってから辞めたいのであれば、それでもいい。
逆に、
「会社を辞めて毎日暇になったらどうしよう」
という不安がものすごく大きい人もいるでしょう。
その怖さの方が、今の仕事を続けるつらさより大きいのであれば、今の生活を続けてもいいのではないでしょうか。
私は、どちらでもいいと思っています。
重要なのは、
本人がどう感じているかです。
「暇になる怖さ」と「働き続けるつらさ」、どちらが大きいのか
早期退職を考えているけれど、退職後にやりたいことがない。
そんな人は、
「退職後にやりたいことを無理に探さなければ」
と考える前に、一度こんなことを考えてみてもいいのではないでしょうか。
暇になることが怖いのか。
それとも、
今の仕事をこのまま続けることの方がつらいのか。
私の場合、答えは圧倒的に後者でした。
何もやることがなくなって、一日中暇になったとしても、会社で働き続けるよりはいい。
本当にそう思っていました。
だから、退職後に何をするかなんて決めずに49歳で会社を辞めました。
私は何も決めずに辞めた。それでも後悔しなかった
もし、
「退職後にやりたいことがないのですが、会社を辞めても後悔しませんか?」
と聞かれたら、私には答えられません。
その人によるからです。
私が、
「大丈夫です。絶対に後悔しませんよ」
なんて言えるはずもありません。
ただ、自分の経験なら話せます。
私は会社が嫌で、辞めたくて仕方がありませんでした。
退職後に何をするのか、特に決めていませんでした。
それでも49歳で会社を辞めました。
辞めた直後は、会社に行かなくていいことが毎日嬉しかった。
時間ができると、投資を今まで以上に深く研究するようになりました。
家庭菜園も始めました。
気がつけば、やることはいろいろありました。
そして7年以上たった今まで、
会社を辞めたことを後悔したことはありません。
これは、あくまで私の場合です。
あなたが同じようになるかどうかは分かりません。
でも私は、
「退職後にやりたいことが決まっていない」という理由だけで、会社を辞めてはいけないとは思いません。
何かをするために辞める人もいる。
何かをするためではなく、今の仕事を辞めたいから辞める人もいる。
私は後者でした。
そして私の場合は、先に自由な時間を手に入れたことで、その時間の中から、やることが自然に出てきました。
だから今振り返っても、
「退職する前に、やりたいことを決めておけばよかった」
とは思いません。
会社を辞めてから考える。
そんな早期退職があっても、私はいいと思っています。


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