ブログを読んでくださった方から、こんな質問をいただきました。
「早期退職するには、いくら必要でしょうか?」
早期退職を考えている方にとって、お金の問題は一番気になるところだと思います。
私自身も、49歳で会社を辞める前に、何度もライフプランを作って必要な金額を計算しました。
今回は、私がどのように退職資金を考えたのか、実際の数字を交えながらお話ししたいと思います。
早期退職に必要な金額は、人によって違う
まず、私の答えは「人によって違う」です。
3,000万円で足りる人もいれば、5,000万円でも足りない人もいると思います。生活費、家族構成、住宅ローン、子どもの教育費、年金額、退職する年齢などによって、必要な金額は大きく変わるからです。
ですから、「○千万円あれば早期退職できます」と一律に言うことはできません。
大切なのは、自分が今後いくら使い、いくら収入を得られるのかを計算することだと思っています。
私の場合は4,500万円が必要だった
私は49歳で早期退職しました。退職時の資産は約4,500万円です。
この金額は、なんとなく決めたものではありません。41歳頃からライフプランを作り、100歳まで生活できるかを計算した結果、49歳で退職するには約4,500万円あればよいという計算になりました。
ただし、私の場合は住宅ローンがありませんでした。子どもの学費も、下の子があと1年ほどで終わる状況だったので、今後の教育費はほとんどかからないという前提でした。
住宅ローンが残っていたり、これから子どもの教育費が大きくかかったりする家庭であれば、必要な金額は当然変わってきます。
まずは毎月の生活費を調べる
私が最初に行ったのは、毎月の生活費を調べることでした。
妻がつけていた家計簿をもとに、食費、光熱費、生活雑貨、通信費など、日常生活にどのくらいお金がかかっているのかを計算しました。
そして、基本的な生活費は年間200万円としてライフプランに入力しました。月にすると約16万7,000円です。
この200万円は、毎年の基本生活費です。すべての支出をこの金額に含めていたわけではありません。
生活費とは別に計算した支出
私の場合、次のような費用は別枠で考えていました。
- 国民年金・国民健康保険
- 生命保険の保険料
- 旅行費
- 住宅の修繕費
- 家電の買い替え
- 車の買い替え
例えば、車を買い替える年にはまとまったお金が必要になりますし、家の外壁や屋根の修繕も、いつかは必要になります。
毎月の生活費だけを計算していると、こうした支出を見落としてしまいます。ですから、将来かかるであろう費用を、ざっくりとでも支出欄に入れていきました。
収入は、見込めるものを入力する
支出を計算したら、次は収入です。
私の場合、主な収入として考えていたのは、公的年金と個人年金です。
また、加入していた生命保険を解約し、そのお金を年金形式で受け取る予定もありました。そうした将来入ってくるお金を、受け取る時期に合わせて収入欄に入力しました。
一方で、株式投資の利益や退職後の労働収入は、ライフプランには一切組み入れていません。
投資で利益が出るかどうかは分かりませんし、退職後に働いて収入を得られるかどうかも不確定だからです。
私の場合は、そうした収入がなくても生活できるかを確認したかったのです。投資で利益が出れば、それは計画に対するプラスと考えていました。
100歳まで資産が持つかを計算した
支出と収入を入力したら、あとは毎年の資産残高を計算していきます。
何歳のときにいくら支出があり、いくら収入が入ってくるのか。そして、貯金がどのくらい残るのか。
私は100歳まで計算しました。
100歳まで今と同じ生活が続くとは思っていません。将来、介護施設に入ることになるかもしれませんし、想定外の支出が発生するかもしれません。
例えば、80歳から施設に入り、月30万円の費用が何十年もかかるようなことになれば、当初の計算は大きく狂います。
ただ、そのような未来をすべて正確に予測することはできません。
ですから私は、ある程度の支出を見込んだうえで、とりあえず100歳までお金が尽きないことを一つの判断基準にしました。
100歳まで資産が持つという計算になれば、その時点である程度の余裕も含まれているのではないかと考えていました。
3,000万円あれば早期退職できるのか?
例えば、50歳の方が「貯金が3,000万円あります。これで早期退職できますか?」と聞いてきたとします。
私は、足りるかもしれないし、足りないかもしれないと答えると思います。
まずは、その方の生活費と今後の収入を計算してみる必要があります。
かなりざっくりとした例ですが、年間生活費が200万円だとします。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 50歳時点の貯金 | 3,000万円 |
| 年間生活費 | 200万円 |
| 貯金だけで生活できる年数 | 15年 |
| 貯金がなくなる年齢 | 65歳 |
3,000万円を年間200万円ずつ使えば、15年でなくなります。
50歳で退職した場合、計算上は65歳まで生活できるということです。
そして、65歳から公的年金が年間200万円受け取れると仮定します。生活費も年間200万円のままであれば、単純計算では年金だけで生活費を賄えることになります。
この条件だけなら、死ぬまでお金に困らず生活できるという計算になります。
ただし、これはあくまで単純計算です。
実際には車の買い替えや住宅修繕、医療費などのまとまった支出があります。物価が上がれば、年間200万円では生活できなくなるかもしれません。
ですから、この計算だけで「3,000万円あれば大丈夫」と判断するのは難しいと思います。
インフレは考慮していなかった
私が当時作ったライフプランでは、基本生活費を年間200万円で固定していました。インフレは考慮していません。
今振り返れば、物価上昇によって生活費が増える可能性も考えておいた方がよかったかもしれません。
ただ、当時の私は、将来の物価や生活の変化を正確に予測することはできないので、まずは現在の生活費を基準に計算しようと考えていました。
これからライフプランを作る方は、生活費が増えた場合の計算もしてみると、より安心できるかもしれません。
41歳のときには4,500万円もなかった
私が41歳頃にライフプランを作ったとき、貯金は4,500万円には全く届いていませんでした。
ですから、計算したからといって、すぐに退職できると思ったわけではありません。
当時は投資もほとんどしておらず、少し個別株を買う程度でした。資産を大きく増やすような投資ではなかったので、基本的には毎月の貯金で資金を増やしていこうと考えていました。
今思えば、もっと投資をしておけば資産を増やせたかもしれないとは思います。ただ、当時は投資利益を当てにした資金計画ではありませんでした。
私が勤めていた会社は、早期退職制度がよく出される会社でした。そのため、もし制度が出れば、退職できるのではないかと考えていました。
実際に49歳で退職したときは、早期退職制度の上乗せを含めた退職金によって、約4,500万円に届きました。
正確な金額は覚えていませんが、退職金を受け取る前の貯金は約2,000万円だったと思います。上乗せを含めた退職金がなければ、必要額には約2,500万円ほど足りなかったのではないかと思います。
もし早期退職制度が出なければ、おそらく会社を続けていたと思います。あるいは、別の会社やアルバイトなどで少し収入を得ながら生活する方法も、もしかしたら考えたかもしれません。
ただ、制度が出る可能性はある程度見込んでいたので、4,500万円という目標は達成できるのではないかと考えていました。
必要額を知ることが、退職への第一歩
早期退職に必要な金額は、誰にでも共通するものではありません。
私の場合は、年間200万円の基本生活費と、将来のまとまった支出を計算し、公的年金や個人年金などの収入を入力しました。そして、100歳まで資産が持つかを確認した結果、約4,500万円という金額になりました。
これは私の家族構成や生活費、年金などを前提にした数字です。ほかの方にそのまま当てはまるものではありません。
もし早期退職を考えているのであれば、まずは自分の生活費を調べ、今後の支出と収入を一度計算してみてはいかがでしょうか。
計算してみると、今の貯金で足りるのか、あといくら必要なのか、何歳頃なら退職できそうなのかが見えてくると思います。
将来のことをすべて予測することはできません。それでも、何も分からないまま不安を抱えるより、数字にしてみることで、退職を考えるための一つの判断材料になるのではないかと思っています。


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