老後が不安でお金を使えない50代へ。貯める計画だけでなく「使う計画」も必要だと思う

資金計画・ライフプラン

50代になると、老後のお金が気になってくる人も多いと思います。

「老後資金はいくら必要なのか」

「このままの貯金額で大丈夫なのか」

「退職するまでに、できるだけ貯めておいた方がいいのではないか」

私も、お金を貯めることは大切だと思っています。

ただ最近は、貯める計画だけではなく、お金を使う計画も必要なのではないかと思うようになりました。

今回は、50代からのお金の貯め方、そして使い方について、早期退職した私自身の考えを書いてみます。

「65歳になったら楽しむ」で、本当にお金を使えるのか

例えば55歳の会社員が、

「今は老後が心配だから節約します。旅行や外食は我慢して、65歳で退職してから楽しみます」

と言ったとします。

私はまず、

「65歳になったら、年間いくら使うつもりですか?」

と聞くと思います。

旅行にいくら使うのか。

外食にいくら使うのか。

趣味にはいくら使うのか。

それを何歳まで続けるのか。

ここまで考えているでしょうか。

長い間ずっと節約してきた人が、65歳になった瞬間、

「今日からお金を使って人生を楽しもう」

と切り替えられるでしょうか。

私は、なかなか難しいと思います。

1泊10万円の旅行をしようと思っても、

「こんなに使って大丈夫かな」

と思うかもしれません。

欲しかったものを買おうとしても、

「老後のお金がなくなったらどうしよう」

と考えるかもしれません。

だから私は、お金は貯めるのと同じように、使うことにも計画が必要だと思っています。

500万円を残すか、500万円分の経験をするか

例えば55歳から65歳までの10年間、旅行や外食を我慢した結果、500万円多く貯められたとします。

一方、もう一人は、その500万円を10年間で旅行や外食、趣味などに計画的に使いました。

どちらが正解でしょうか。

私は、どちらにも価値があると思います。

500万円多く残せば、それだけ安心感が増えます。

500万円使えば、その分だけ経験や思い出が増えます。

どちらを選ぶかは、その人次第です。

ただ、老後資金に問題がないことが分かっているのであれば、私は500万円を使う方を選びます。

なぜなら、今の500万円と10年後の500万円では、できることが同じとは限らないからです。

2年前に1人3万円だった旅館が、今では8万円に

これは実際に私が経験したことです。

2年ほど前に泊まった旅館があります。

そのときの宿泊料金は、1人3万円くらいでした。

ところが最近見ると、1人8万円くらいになっています。

人気が出たことも値上がりの理由だと思います。

もちろん、物価も上がっています。

1人3万円なら、

「ちょっといい旅館に泊まってみよう」

と思えました。

でも、1人8万円になると、私はもう行けません。

夫婦2人なら、6万円程度だった宿泊費が16万円程度になります。

もし2年前に、

「もったいないから、老後になってから行こう」

と我慢していたら、私はその旅館を経験できなかったかもしれません。

今は、

「あのとき行っておいてよかった」

と思っています。

お金を残しても、同じ経験が買えるとは限らない

貯金しておけば、お金は残ります。

投資をすれば、増えている可能性もあります。

でも同時に、物やサービスの値段も上がっていきます。

100万円を10年間大切に残したとしても、10年後にその100万円で買えるものが今と同じとは限りません。

だから、

「今は我慢して、あとで使えばいい」

という考えにもリスクがあると思っています。

しかも、変わるのは物価だけではありません。

自分自身も変わっていきます。

70代になれば、今と同じように旅行できるとは限らない

私は現在、旅行へ行けば長距離を移動することもできます。

旅館へ泊まれば、食事も楽しめます。

でも、70歳を超えれば今と同じとはいかないでしょう。

まず、移動が大変になると思います。

飛行機や新幹線に長時間乗る。

駅や空港を歩く。

荷物を持って移動する。

50代ではできていることが、70代になればしんどくなるかもしれません。

食事もそうです。

旅館の食事は結構な量があります。

今なら食べられても、70代になって食が細くなれば食べきれないかもしれません。

「料理を少なくしてください」

とお願いすることはできるでしょう。

でも、食べる量が半分になったからといって、宿泊料金が半分になるわけではありません。

お金は残っていても、お金を使って楽しむ力の方が先に減ってしまう可能性があります。

50代になったら、これは考えておいた方がいいと思います。

だからといって、今からどんどん使えばいいわけではない

ここまで読むと、

「だったら、元気な50代のうちにどんどんお金を使った方がいい」

と思うかもしれません。

私は、そうは思っていません。

老後に必要なお金まで使ってしまったら困ります。

「人生は一度きりだから」

と500万円、1,000万円と使って、70代になって生活費が足りなくなってしまったら意味がありません。

私は、

使わなさすぎるのも違うし、使いすぎるのも違う

と思っています。

では、いくらなら使っていいのか。

ここで必要になるのがライフプランです。

ライフプランは「貯める金額」を知るためだけのものではない

ライフプランというと、

「老後までにいくら貯めればいいのかを計算するもの」

というイメージがあるかもしれません。

でも、私はそれだけではないと思っています。

ライフプランは、安心してお金を使うためにも必要です。

将来、どのくらい生活費が必要なのか。

住宅の修繕はいくらかかるのか。

車は買い替えるのか。

家電の買い替えはどうするのか。

旅行にはいくら使いたいのか。

年金はいくらもらえるのか。

個人年金などの収入はあるのか。

これらをできるだけ計算していきます。

すると、

「これくらいは残しておかないといけない」

という金額が見えてきます。

そして同時に、

「これくらいなら使っても大丈夫」

という金額も見えてきます。

私の場合は4,500万円だった

私は49歳で会社を辞めました。

会社を辞める前にライフプランを作り、将来必要になるお金と入ってくるお金を計算しました。

その結果、私の場合は、

貯金4,500万円あれば会社を辞めても大丈夫だろう

という結論になりました。

もちろん、4,500万円だけで一生暮らすという意味ではありません。

将来受け取る公的年金や個人年金なども含めて計算した結果です。

私が求めている生活も、それほど豪華なものではありません。

生きていけるだけのお金がある。

たまに旅行へ行ける。

外食にも行ける。

私が送りたいのは、その程度の生活です。

高級車を何台も買いたいわけでもありません。

毎月高級ホテルへ泊まりたいわけでもありません。

だから、

「自分が送りたい生活には、いくら必要なのか」

を考えた結果が、私の場合は4,500万円だったというだけです。

5,000万円欲しい人は、5,000万円を目指せばいい

仮にライフプランでは、

「老後資金は2,000万円あれば大丈夫そうだ」

という結果が出たとします。

それでも、

「私は5,000万円ないと不安だ」

という人もいるでしょう。

私は、それなら5,000万円を目指せばいいと思います。

その人が求めているものは、旅行や外食よりも、

「お金がたくさんあることによる安心感」

なのかもしれません。

それも一つの価値です。

私は旅行を選ぶ。

別の人は貯金残高を選ぶ。

どちらが正しいという話ではありません。

大切なのは、

「自分は何を求めているのか」

ではないでしょうか。

「いくら貯めるか」より先に「どんな生活をしたいか」

50代になると、

「老後までに3,000万円必要」

「いや、5,000万円必要」

「1億円あれば安心」

いろいろな数字が気になると思います。

でも、その前に考えた方がいいことがあると思います。

自分は、これからどんな生活をしたいのか。

毎年海外旅行へ行きたい人と、家でのんびり暮らしたい人では必要なお金が違います。

都会に住むのか、地方に住むのかでも違います。

車を持つのかでも違います。

そして、何より「どのくらいの安心が欲しいのか」も人によって違います。

だから、

「50代なら○千万円必要」

という一つの答えを探しても、あまり意味がないのではないでしょうか。

貯める計画と一緒に「使う計画」も作ってみる

50代は、まだお金を貯める時期かもしれません。

でも同時に、私はお金を使う計画を考え始めてもいい年代だと思っています。

65歳になってから突然、

「さあ、今日から人生を楽しもう」

ではなく、

「旅行には年間○万円使おう」

「外食にはこれくらい使おう」

「60代前半までに遠いところへ旅行しておこう」

そんな計画を作っておく。

そして、そのお金を使っても老後の生活に問題がないのかをライフプランで確認する。

問題なければ、私は使えばいいと思います。

問題があるなら、使う金額を減らす。

非常に単純です。

お金を残すことにも、使うことにも価値がある

お金を残せば、安心が増えます。

お金を使えば、経験や思い出が増えます。

私は、どちらにも価値があると思っています。

だから、

「50代なんだから、もっとお金を使った方がいい」

とは思いません。

反対に、

「老後が心配だから、できるだけ使わず貯めた方がいい」

とも思いません。

人それぞれです。

ただ、自分が何を求めているのかは、一度考えてみた方がいい。

そして、その生活に必要なお金を計算してみる。

そうすれば、

いくら貯めればいいのか。

そして、

いくら使っても大丈夫なのか。

この二つが少しずつ見えてくると思います。

私は、お金を貯めるためだけに人生があるとは思っていません。

でも、お金を使うために老後を危険にさらす必要もありません。

使わなさすぎない。使いすぎない。

そのためにライフプランを作る。

そして計画の範囲内なら、やりたいことにはお金を使う。

2年前に泊まった、1人3万円だった旅館。

今は1人8万円ほどになり、私はもう行こうとは思いません。

だからこそ、

「あのとき行っておいてよかった」

と思います。

お金は後からでも使えます。

でも、同じ値段で、同じ体力で、同じように楽しめる時間は、ずっと続くわけではありません。

50代になった今だからこそ、私は「貯める計画」と一緒に「使う計画」も考えておくことが大切だと思っています。

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