早期退職するためには、いくら必要なのか。
3000万円あればいいのか。
5000万円必要なのか。
それとも1億円なければ安心できないのか。
早期退職を考えると、どうしてもお金の話が中心になります。
もちろん、お金は大切です。
会社を辞めれば給料がなくなるのですから、生活できるだけのお金を準備しておかなければなりません。
でも、実際に早期退職して生活してみると、準備しておいた方がいいのはお金だけではないと思います。
「自分は会社を辞めたあと、どんな生活をする人間なのか」
これも考えておいた方がいい。
言ってみれば、
自分の棚卸しです。
私は早期退職して7年以上になります。
今回は実際に無職生活を続けてきた私が、早期退職する前に考えておいた方がいいと思うことを書いてみます。
- 早期退職に向いていない人はいるのか
- 会社を辞めると、人とのつながりもなくなる
- 一人の生活が苦手なら、人と関われる場所を作ればいい
- 「退職したら何をするか」は決めておくべき?
- 自分で楽しみを見つけられない人は、準備した方がいい
- 大切なのは「自分の棚卸し」
- 「無職です」と言えるか
- みんな、そこまで自分のことに興味ありませんよ
- 夫婦関係については、私も準備していなかった
- お金の準備がない人は、向いていないというより危険
- 会社を辞めたい=無職になる、ではない
- 「ダメなら再就職すればいい」は危ないと思う
- お金があっても、早期退職を後悔する人はいると思う
- 早期退職前には二つの棚卸しが必要
- 早期退職に向いた性格になる必要はない
- もし退職直前の自分に一言言えるなら
- 投資も、給料があるうちに経験しておいた方がいい
- 早期退職は「辞める準備」より「辞めたあとの準備」
早期退職に向いていない人はいるのか
私は一人で過ごすことが、それほど苦になりません。
むしろ、一人の時間を楽しめる方だと思います。
だから早期退職して、会社の人たちとの付き合いがなくなっても、それほど困りませんでした。
でも、人と関わることが好きな人は違うかもしれません。
毎日誰かと話したい。
一人でいるのが苦手。
人とのつながりがないと寂しい。
そんな人が会社を辞めて完全な無職生活になったら、孤独を感じる可能性があります。
ただ、
「社交的な人は早期退職に向いていない」
とまでは思いません。
大切なのは、自分がどういう人間なのかを分かっていることだと思います。
会社を辞めると、人とのつながりもなくなる
会社員をしていると、毎日誰かと話します。
朝、会社に行けば、
「おはようございます」
と挨拶する。
仕事の話をする。
昼休みに雑談する。
嫌な人間関係もありますが、人とのつながりという意味では、会社が大きな役割を果たしています。
ところが、会社を辞めるとそれが一気になくなります。
早期退職した本人は、
「やっと自由になった」
と思うでしょう。
でも数か月、数年と経ったとき、
「今日、一日誰とも話さなかったな」
という日が出てくるかもしれません。
それが平気なのか。
寂しいと思うのか。
ここは、人によってかなり違うと思います。
一人の生活が苦手なら、人と関われる場所を作ればいい
一人でいるのが苦手だからといって、早期退職できないわけではありません。
お金の準備ができていて、仕事が嫌なのであれば、私は辞めてもいいと思います。
ただし、退職後の孤独については考えておいた方がいいでしょう。
例えばアルバイトをする。
ボランティアをする。
趣味の集まりに参加する。
何でもいいと思います。
会社の代わりに、人と関われる場所を作っておく。
社交的な人なら、そんな準備をしておけばいいと思います。
早期退職したからといって、一生誰とも関わらずに生活しなければならないわけではありません。
自分に合った生活を作ればいいだけです。
「退職したら何をするか」は決めておくべき?
早期退職について調べていると、
「退職後にやりたいことを見つけておきましょう」
という話もあります。
これは、人によると思います。
私の場合は、特に必要ありませんでした。
私は、そのときそのときで楽しみを見つけるタイプだからです。
退職する前から、
「毎週○曜日はこれをやる」
「退職したら、この趣味を始める」
といった計画を立てていたわけではありません。
暇になったら、そのとき興味を持ったことをやればいい。
私はそれで大丈夫でした。
でも、誰もがそうではないでしょう。
自分で楽しみを見つけられない人は、準備した方がいい
会社員時代は、一日の大部分を会社が使ってくれます。
朝起きて会社に行く。
仕事をする。
家に帰る。
これだけで一日が終わります。
早期退職すると、その時間が全部自分のものになります。
最初はうれしいでしょう。
でも、その生活が1年、3年、5年と続きます。
自分でやりたいことを見つけられない人にとっては、自由な時間が多すぎることが苦痛になるかもしれません。
そんな人なら、退職する前から何か始めてみてもいいと思います。
趣味でもいい。
運動でもいい。
地域活動でもいい。
何かを始めれば、そこから別のことに興味が出てくるかもしれません。
大切なのは「自分の棚卸し」
結局、大切なのは、
自分はどういう性格なのか。
これを知ることだと思います。
一人で過ごせるのか。
誰とも話さない日があっても平気なのか。
予定がない一日を楽しめるのか。
自分で楽しみを見つけられるのか。
それとも、誰かに予定を作ってもらった方が楽なのか。
早期退職した人の生活を見て、
「この人が大丈夫だから、自分も大丈夫」
とは限りません。
私には私の性格があります。
その人には、その人の性格があります。
早期退職する前に、お金の棚卸しだけではなく、自分の棚卸しもしておいた方がいい。
私はそう思います。
「無職です」と言えるか
もう一つ、人によって気になるのが肩書きです。
私は無職であることに、それほど抵抗はありません。
ただ、ときどき、
「今、何をしているんですか?」
と聞かれることがあります。
そこで、
「無職です」
と答えると、ちょっと変な顔をされることがあります。
50代で元気そうなのに働いていない。
相手からすると、
「どうして?」
となるのでしょう。
私は別に気にしません。
でも、周囲からどう見られるのかを気にする人には、これも意外とストレスになるかもしれません。
みんな、そこまで自分のことに興味ありませんよ
私は、あまり気にする必要はないと思っています。
今は家で仕事をしている人も増えています。
「無職です」
と言うのが嫌なら、
「家で仕事をしています」
と答えてもいいでしょう。
そもそも、相手もそれほど深い意味で聞いていないと思います。
みんな、そこまで自分のことに興味ありませんよ。
自分では、
「50代で働いていない自分を、周りはどう思っているんだろう」
と考えていても、相手はそこまで気にしていないと思います。
周りの目を気にして、せっかく手に入れた自由を楽しめない。
それでは、もったいないと思います。
夫婦関係については、私も準備していなかった
早期退職すると、家にいる時間が増えます。
会社員のときは、平日の昼間は家にいません。
それが、退職した翌日から毎日家にいるようになります。
本人だけでなく、妻の生活も変わります。
では私は、
「退職後、夫婦でどう過ごそうか」
と事前に考えていたのか。
正直に言えば、そこまで考えていませんでした。
退職後には、いろいろと問題もありました。
でも、一緒に生活していくうちに、自然と今の形になっていった感じです。
だから、退職前に夫婦の生活を全部決めておかなければならないとは思いません。
ただ、
早期退職は、自分一人の生活だけを変えるものではない。
一緒に暮らしている家族の生活も変わる。
そのことは、少し考えておいた方がいいと思います。
お金の準備がない人は、向いていないというより危険
ここまでお金以外の話をしてきました。
でも、やはりお金は大切です。
というより、お金の準備ができていない状態で早期退職するのは、
「向いている、向いていない」
以前の問題だと思います。
危険です。
例えば50歳。
仕事が嫌で仕方がない。
でも貯金は1000万円。
住宅ローンも残っている。
退職後の収入もない。
再就職先も決まっていない。
この状態で、
「もう嫌だから、明日会社を辞めよう」
というのは、私は勧めません。
会社を辞めたい=無職になる、ではない
そんな場合、私ならまず転職を考えます。
あるいは、今の会社で部署を変えてもらう。
転勤を希望する。
人間関係が変われば、会社に行くのが楽になるかもしれません。
仕事内容が変われば、仕事がそれほど嫌ではなくなるかもしれません。
もちろん、逆に悪くなる可能性もあります。
吉と出るか凶と出るかは分かりません。
それでも、
「今の職場から逃げること」と「会社員そのものをやめること」は別の話です。
今の会社や職場が嫌だからといって、いきなり無職になる必要はありません。
「ダメなら再就職すればいい」は危ないと思う
特に50代で早期退職するなら、私は再就職についても考えておいた方がいいと思います。
「とりあえず辞めよう」
「お金が足りなくなったら、また働けばいい」
そう考える人もいるでしょう。
でも、50代になってから、自分が希望する会社に簡単に就職できるとは限りません。
給料が下がるかもしれない。
希望する仕事ではないかもしれない。
通勤条件も悪くなるかもしれない。
そして、
「こんなことなら前の会社を辞めなければよかった」
となる。
しっかり再就職の準備をしたうえで辞めるなら問題ありません。
でも、何も準備せず、
「嫌になったから辞める。あとは何とかなるだろう」
という早期退職は怖いと思います。
お金があっても、早期退職を後悔する人はいると思う
反対に、十分なお金があれば絶対に後悔しないのか。
それも違うと思います。
5000万円持っている。
住宅ローンもない。
子供の教育費も終わった。
年間200万円で生活できる。
計算上は、もう働かなくても大丈夫。
それでも、会社を辞めて孤独になった。
毎日やることがない。
人と話したい。
「無職」という立場が嫌だ。
そんな状態なら、お金があっても早期退職を後悔する可能性があります。
だから、
「いくらあれば早期退職できますか?」
という質問だけでは、答えは出ないのだと思います。
早期退職前には二つの棚卸しが必要
私は、早期退職を考えるなら二つの棚卸しをした方がいいと思います。
一つは、
お金の棚卸し。
今の生活費はいくらなのか。
退職後はいくら必要なのか。
貯金はいくらあるのか。
住宅ローンはどうするのか。
年金はいくらもらえるのか。
退職後の収入はあるのか。
そしてもう一つが、
自分の棚卸し。
一人で過ごせるのか。
孤独は平気なのか。
暇な時間を楽しめるのか。
自分で楽しみを見つけられるのか。
周囲から「無職」と思われても気にならないのか。
会社を辞めたあとも、人とのつながりが必要なのか。
この二つを考えて、
「会社がなくなった自分でも生活できるのか」
を想像してみる。
早期退職の準備とは、本来そういうものなのかもしれません。
早期退職に向いた性格になる必要はない
ただ、ここで誤解してほしくないのは、
「一人好きでなければ早期退職できない」
という話ではありません。
人と話すのが好きなら、人と関われる場所を作ればいい。
暇が苦手なら、趣味を見つければいい。
完全な無職生活が嫌なら、週に何日か働いてもいい。
周囲の目が気になるなら、自分なりに説明できるようにしておけばいい。
自分の性格を変える必要はありません。
自分の性格を知って、それに合った退職後の生活を作ればいい。
それが「自分の棚卸し」をする意味だと思います。
もし退職直前の自分に一言言えるなら
では、今の私が、早期退職する直前の自分にアドバイスできるとしたら、何を言うのか。
私は、
「会社以外からお金を稼げるようになっておけ」
と言います。
そして、
「投資をしておけ」
とも言います。
早期退職すると、毎月入ってきていた給料がなくなります。
貯金が十分あったとしても、毎月貯金が減っていくだけの生活と、自分で少しでもお金を生み出せる生活では、安心感が違います。
月1万円でもいい。
月5万円でもいい。
会社員のうちに、
「会社から給料をもらわなくても、自分でお金を稼げる」
という経験をしておく。
これは早期退職後の大きな安心材料になると思います。
投資も、給料があるうちに経験しておいた方がいい
投資についても同じです。
退職して給料がなくなってから、初めて大きなお金を投資する。
私は、それよりも会社員のうちから投資を経験しておいた方がいいと思います。
株価が上がる経験だけではありません。
下がる経験もしておく。
100万円投資して、80万円になる。
場合によっては、もっと減る。
そんなときに自分がどう感じるのか。
怖くなって売ってしまう人なのか。
そのまま持っていられる人なのか。
これも「自分の棚卸し」の一つだと思います。
早期退職は「辞める準備」より「辞めたあとの準備」
会社を辞めること自体は簡単です。
退職届を出せば、会社員生活は終わります。
難しいのは、そのあとです。
翌朝から会社はありません。
給料もありません。
同僚もいません。
上司もいません。
通勤もありません。
一日の予定を決めてくれる人もいません。
そこから先の人生を、自分で作っていかなければなりません。
だから私は、早期退職を考えている人に、
「○○万円あれば大丈夫ですよ」
と、お金の話だけをすることはできません。
お金の準備と、自分の準備。
両方が必要だと思います。
自分は一人でも楽しめるのか。
人とのつながりが必要なのか。
退職後に何をしたいのか。
再就職する可能性はあるのか。
家族との生活はどう変わるのか。
そして、会社以外からお金を得る方法はあるのか。
早期退職する前に、一度ゆっくり自分を棚卸ししてみる。
そのうえで、
「会社がなくなっても、自分は大丈夫そうだ」
と思えたなら、早期退職後の生活はずっと想像しやすくなるのではないでしょうか。


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