「早期退職(FIRE)をして、奥様との関係は良くなりましたか?」
早期退職を果たした後、周りからこのように質問されることがあります。
この問いに対して、私は少し答えに困ってしまいます。 「劇的に良くなった」と言えば少し違う気もしますし、もちろん悪くなったわけでもありません。
一番しっくりくる表現をするなら、「仲が良くなったというより、関係性が変化し、妻のことをもっと深く知るようになった」ということです。
今回は、会社員時代には見えていなかった「妻の素顔」と、退職後に夫婦でストレスなく快適に過ごすための「心の距離感」についてお伝えします。
1. 会社員時代は「知っているつもり」でいただけだった
会社員だった頃の私は、早朝に家を出て夜遅くに帰宅する毎日でした。 疲れて帰宅すると、妻も子どもを寝かしつけて休んでいたり、夜中の静けさの中で寝顔を見るだけだったりすることも珍しくありませんでした。
当時は長年一緒に暮らしているのだから「妻のことは何でも知っている」と思い込んでいました。
しかし、早期退職をして毎日家にいるようになってから、その考えは一変しました。
- 「こういう考え方をする人だったんだ」
- 「こういうことにこだわりがあったんだ」
- 「こういう性格だったんだな」
朝から晩まで同じ空間で過ごすことで、長年連れ添った夫婦であっても、知らなかった一面がたくさんあることに初めて気づかされたのです。仕事に追われていた頃は、お互いの生活に必死で、相手をじっくり知るための「時間」そのものが物理的に足りていなかったのだと感じます。
2. 仕事が作ってくれていた「自然な距離感」が消える
会社員時代は、「仕事」という存在がある意味でお互いの間に「適度な距離」を作ってくれていました。
平日はほとんど顔を合わせず、週末も限られた時間の中で過ごす。だからこそ、意識しなくても自然とお互いに一人になれる時間が保たれていたのです。
ところが早期退職をすると、その「クッション」が一気に消え去ります。
- 毎日家にいる
- 毎日朝から晩まで顔を合わせる
これは、どんなに仲が良い夫婦にとっても非常に大きな環境の変化です。
「夫婦なんだからずっと一緒にいるのが当たり前」と考えていると、知らず知らずのうちにお互いに息苦しさを感じ、ストレスを溜めてしまう原因になりかねません。
3. 「ずっと一緒にいない」ことが最大の親愛の証
実際にこの変化を経験して分かったのは、「ずっと同じ部屋で過ごさないほうが、お互いにとって良い関係を保てる」ということでした。
決して妻が嫌いになったわけでも、仲が悪くなったわけでもありません。
ただ、「お互いに一人の時間を持ちながら、一緒にいる時間もしっかり楽しむ」というメリハリをつけることが、退職後の夫婦関係においては何より大切だと気づいたのです。
我が家が大切にしている「心地よい距離感」
- 食事・外出・旅行は一緒: 食卓を囲み、一緒に買い出しに行き、年に数回は温泉旅行(湯布院や嬉野温泉など)を楽しむ
- それ以外の時間は別々: 食事が終われば各自の部屋に戻り、自分の趣味(投資の研究やパソコン作業など)に没頭する
- 無理に寄り添いすぎない: 24時間同じ空間に居続けることに固執しない
まとめ:一番の敵はストレス。「無理をしない距離」で歩んでいく
早期退職というと、「資金繰り」や「時間の使い方」ばかりに注目が集まりがちです。
しかし、実際に会社を辞めて一番大きな変化を迎えるのは、「家族(パートナー)との時間」です。
退職後の生活で何より大切なのは、お互いにストレスを溜めないことです。心身の健康を維持するためにも、ストレスは最大のリスクになります。
- 夫婦だからといって、ずっと一緒に居なくてもいい
- お互いに一人の時間を尊重し合う
- 一緒に過ごす時間は、とことん楽しむ
「妻との関係はどうなったか?」と聞かれたら、今の私はこう答えます。 「二人にとって、一番無理のない距離感を改めて見つけられた」と。
早期退職は、自分自身の人生だけでなく、夫婦のこれからの歩み方を優しく再構築していく素晴らしい機会でもあります。これからFIREを目指す方も、ぜひ「退職後のパートナーとの心地よい距離」について、少し思いを巡らせてみてください。


コメント