38歳、同期5人で課長試験に落ちたのは私だけ。「出世を諦めた男」が見つけた本当の役割

時間の使い方・マインドセット

若いころの私は、本気で出世したいと思っていました。

営業の仕事で数字を上げ、社内順位が上がり、評価されるのが楽しかったからです。「出世したらカッコいい」「給料も上がる」——それが私の大きなモチベーションでした。

しかし38歳のとき、その思いは音を立てて崩れ去りました。

同期5人で最速受験。落ちたのは自分だけだった

38歳のころ、私は同期の中で最短で課長試験を受けました。

「このまま順調に出世していくんだろうな」

どこかでそう高をくくっていたのかもしれません。同期5人で受けた結果、不合格になったのは私だけでした。

悔しさ、恥ずかしさ、ショック。色々な感情が一気に押し寄せましたが、何より大きかったのは「これで出世が数年遅れる(もう追いつけないかもしれない)」という恐怖でした。

私の会社では、一度落ちると次の受験までに数年かかります。新入社員のころから積み上げてきた努力が一瞬で消え去った気がして、「次こそ頑張ろう」とすら思えず、「もう、どうでもいい」とモチベーションはどん底まで落ちました。

「人の上に立つ人間」ではなく「支える人間」へ

その後、同期たちが次々と出世していく姿を見るのはやっぱり悔しいものでした。

しかし時間が経つにつれ、自分の能力の限界を受け入れ「しょうがない、出世は諦めよう」と割り切れるようになっていきました。

そして出世を諦めたことで、ひとつの問いが浮かび上がってきたのです。

「そもそも自分は、人の上に立つタイプなのだろうか?」

部下を率いて判断を下すリーダーよりも、「上に立つ人を支える側」のほうが自分に向いているのではないか——。

そう思えるようになってから、私の仕事に対する視界がガラリと変わりました。

出世を諦めた私が始めた「3つの役割」

私が営業所で見つけたのは、「上司と部下の橋渡し役(潤滑油)」という新しいポジションでした。

1. 居酒屋で部下の本音(愚痴)を聞く

上司は組織の中で一種の「裸の王様」になりがちです。部下は目の前では絶対に本音を言えません。そこで、同じ目線に近い私が呑みニケーションを通じ、部下の不満や本音を拾い上げる役割に徹しました。

2. 頭のいい上司へ「さりげなく」フィードバックする

「〇〇さんが悪口を言っていました」と伝えるのではなく、「こういう点に不満を感じている若手が多いかもしれません」と角を立てずに上司へ共有。賢い上司は自ら態度ややり方を変え、営業所の雰囲気が劇的に良くなっていきました。

3. 個人の数字から「営業所全体の数字」へシフト

当時は営業スタイルの変化についていけず、個人の営業成績が伸び悩んでいました。だからこそ「自分1人の数字」ではなく「営業所全体の環境を整えてチームの数字を伸ばす」ことにモチベーションを見出したのです。

出世ルートから外れて見えた「組織のリアル」

役職・立場主な役割と特徴読者が目指せる価値
リーダー(課長・部長)組織を引っ張り、決断と責任を負う強い牽引力とマネジメント力
パイプ役(当時の私)上下間の不満を拾い、環境を円滑にする組織の雰囲気を変え、チーム全体の成果を高める

会社という組織は、管理職だけで回っているわけではありません。

役職がつかなくても、給料が上がらなくても、「みんなが言いにくい本音を汲み取り、営業所の雰囲気を良くする人」は絶対に必要です。課長になれなかったからこそ、私はこの役割に大きな面白さを感じることができました。

40代で「出世の道」が閉ざされたと感じている人へ

38歳で不合格通知を受け取ったあの日の自分に、「落ちて良かったよ」とは今でも言えません。当時は本気で悔しかったし、失敗は失敗だからです。

ですが、出世競争から外れたからといって、仕事人生まで終わるわけではありません。

  • 人の上に立つのが得意な人
  • 専門性を極めるのが得意な人
  • 上に立つ人を支え、組織の潤滑油になるのが得意な人

目指していた場所(管理職)に行けなかったとしても、自分に合った「別の役割」は必ず見つかります。

38歳で挫折し、自分の適性に気づけたからこそ、私はその後の会社員生活を自分らしく全うし、49歳での早期退職へと踏み出すことができました。

「思った通りにいかなかったからこそ、見つかる役割がある」

もし今、会社でのキャリアに悩んでいるなら、少し肩の力を抜いて「自分なりの新しい役割」を探してみませんか?

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