私は49歳で早期退職し、会社を辞めて7年以上になります。
これまで一度も「会社を辞めなければよかった」と思ったことはありません。しかし、私の周りで早期退職した人の中には、残念ながら「辞めなきゃよかった……」と後悔している人が何人もいました。
会社を辞めた理由は「人事評価への不満」「上司のパワハラ」「仕事自体の嫌気」など様々です。ですが、彼らが後悔することになった「理由の共通点」はたった一つでした。
それは、再就職が思っていたようにいかなかったことです。
1. 後悔する人が陥る「とりあえず辞める」の罠
後悔している人たちの多くは、退職後に資金が足りなくなり、再就職を余儀なくされていました。
- 希望する会社・仕事が見つからない
- やりたくない仕事をやらざるを得ない
- 前職より給料が大幅に下がる
「今の会社が嫌だからとりあえず辞めて、ダメなら再就職すればいい」という考え方は非常に危険です。50代を過ぎてからの再就職において、「就職できる」と「希望通りに就職できる」は全く別物だからです。
嫌な会社を脱出したはずなのに、生活費のためにまた意に沿わない仕事に耐える――それでは、何のために会社を辞めたのか分からなくなってしまいます。
2. 後悔する人と後悔しない人の決定的な差
私自身も仕事がつらくて会社を辞めたい一心でしたが、後悔した人たちとは決定的な違いが一つだけありました。
それは、「再就職しなくても生きていける状態」を作ってから辞めたことです。
| 比較項目 | 後悔した人の特徴 | 著者のアプローチ(失敗しない選択) |
| 再就職の前提 | 「ダメなら再就職すればいい」と楽観視 | 「再就職しなくても生活できる」計画を厳密に試算 |
| 退職後の時間 | 「退職後のヒマ」に耐えられず焦る | 投資・家庭菜園・ブログなど、一人で時間を楽しめる |
| 再就職の姿勢 | 「前の会社では〜」とキャリアを引きずる | 再就職する場合は過去のプライドを一度リセットする |
退職後の「時間」に対する向き不向き
早期退職には、性格的な向き不向きもあります。
「仕事がなく指示もされない毎日」を自由と捉えて楽しめる人もいれば、苦痛に感じる人もいます。暇を持て余して焦って働くくらいなら、「生活費のため」か「単なる時間つぶし」かを明確にしておく必要があります。
3. 50代の再就職で求められる「プライドのリセット」
もし生活費や時間の穴埋めのために50代・60代で再就職するのであれば、過去の自分を一度リセットする覚悟が必要です。
- 「働いてやる」ではなく「働かせてもらう」意識
- 年下の上司や、自分の子ども世代から指導を受ける柔軟さ
- 前職の役職や実績を誇示しない潔さ
どんなに前職で実績があろうと、新しい職場では「新人」です。過去の栄光に縛られたままだと、再就職先でさらに大きなストレスを抱え込むことになります。
4. 早期退職で失敗しないための「最悪の想定」
もし今、早期退職を考えている方がいるなら、私は「辞めるな」とは言いません。しかし、以下の計算だけは絶対にしておくべきだとお伝えします。
【辞める前に確認すべき「最悪のシナリオ」】
1. 再就職が一切できなくても生活できるか?
2. 収入が完全にストップした場合、貯金だけで何年暮らせるか?
3. 仮に再就職できたとして、給料が半減してもやっていけるか?
4. 年金受給が始まるまでの収支バランスはどうなるか?
💡「何とかなるだろう」は何ともならない
早期退職において「まあ、何とかなるだろう」という楽観は一番の敵です。
計画も立てずに運任せで飛び出す必要はありません。事前に資金を計算し、再就職できなかった場合の最悪を想定し、それでも大丈夫だと確信できてから辞めればいいのです。
まとめ:辞める勇気より、辞めた後を「計画する力」
早期退職して資金が底をつき、意に沿わない仕事に追われながら「あのとき辞めなければよかった」と後悔して過ごす――これこそが一番悲しい結末です。
会社を辞めること自体は、人生の「目的」ではありません。「会社を辞めた後も、自分が納得できる人生を送ること」こそが本当の目的のはずです。
「辞める勇気」よりも、「辞めた後をしっかり計画する力」。
会社員のうちにできる最大の準備は、綿密なライフプランを立て、最悪を想定しても揺らがない資金基盤を作ることです。


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