早期退職するために、いくら必要だったのか?

資金計画・ライフプラン

「早期退職(FIRE)をしたいけれど、一体いくらお金があれば仕事を辞められるんだろう?」

これは、早期退職を真剣に考えている方なら誰もが一度は悩むテーマではないでしょうか。

世間では「早期退職には1億円が必要」と言われることもありますが、私の場合は「4,500万円」という基準に到達した段階で退職を決断しました。

今回は、私が感覚や勘ではなく「ライフプランシート」を作成して4,500万円という必要額を算出した具体的な方法と、失敗しない計画作りのポイントをお伝えします。

1. ライフプランシートに組み込んだ「リアルな支出項目」

必要額を算出する際、単に「年間の生活費×年数」だけで計算してしまうと、実際の生活で資金不足に陥る危険があります。

私の場合は年間の基本生活費を200万円と設定した上で、生活していく中で発生するさまざまな臨時支出もすべて可視化しました。

試算に組み込んだ主な支出

  • 基本生活費: 日々の食費・光熱費・雑費など(年間約200万円)
  • 社会保険料: 国民健康保険料・国民年金保険料
  • 保険料: 民間の生命保険など
  • イベント費: 夫婦での旅行代・レジャー費用
  • 維持・更新費: マイホームの将来的な修繕費、家電製品の買い替え費用

また、退職時に子どもがすでに社会人として独立していたことも大きなポイントでした。教育費や学費といった不確定で大きな支出が終わっていたからこそ、明確な資金計画を立てることができたのです。

2. 計画を破綻させないための鉄則:「投資利益はゼロ」で計算する

ライフプランシートを作成する上で、私が最も重要視したのは「不確定な収入(投資利益など)を一切計画に入れない」ということでした。

資産運用や株式投資では、市場環境によって利益が出る年もあれば、大きな暴落に見舞われる年もあります。そうした不安定な利益を生活費の前提にしてしまうと、相場が悪化した際に計画全体が崩壊してしまいます。

収入試算の考え方

  • 確実な収入のみをカウント: 公的年金(60歳からの繰り上げ受給で試算)および個人年金のみを組み込む
  • 投資利益の位置づけ: 資産運用による利益は「あればラッキーな余裕分」とし、ゼロでも生活が破綻しない設計にする

「投資で増やすこと」を前提とせず、「手持ちの資産と確実な年金だけで逃げ切れるか」を基準にした結果、弾き出された安全な数字が4,500万円でした。

3. 「いくら必要か」は人によって全く異なる

よく「FIREには1億円が必要」と言われますが、全員に当てはまる絶対的な金額は存在しません。必要な資金は、それぞれの生活スタイルや条件によって180度変わります。

【必要額を左右する主な要因】

  • 持ち家か賃貸か(住宅ローンの有無)
  • 子どもの人数と現在の年齢(教育費の有無)
  • 車の所有台数や維持費
  • 年間生活費の水準(200万円で満足できるか、500万円必要なのか)
  • 公的年金の受給見込額と受給開始時期

だからこそ、「誰かの目標金額」を参考にするのではなく、自分の数字を自分で計算してみることが何より大切です。

4. ライフプランシートがもたらしてくれた「揺るぎない安心感」

ライフプランシートを作って一番良かったのは、「これだけのお金と年金があれば大丈夫」と数字で客観的に確認できたことでした。

会社員時代、日曜日の午後になると「明日からまた仕事か……」と頭が重くなり、長期休暇の最終日には絶望的な気持ちになっていました。

しかし、数字の裏付けを持って早期退職を果たした今は、そうしたプレッシャーから完全に解放されました。毎日が休日となり、自分のペースで趣味や資産運用の研究、家庭菜園、夫婦での旅行などを楽しむことができています。

まとめ:早期退職への第一歩は「自分の数字」を知ること

早期退職を目指すなら、まずは漠然とした不安を解消するために「自分は何歳で、いくらあれば仕事を辞められるのか」を試算してみてください。

  1. 自分の生活に必要な「本当の年間支出」を洗い出す
  2. 将来もらえる確実な収入(年金など)を確認する
  3. 投資利益をアテにせず、何歳まで資産が持つかをシミュレーションする

数字で確認できれば、「会社員を辞める」という大きな決断も決して怖いものではなくなります。

まずは一度、自分だけのライフプランシートを作成してみてはいかがでしょうか。

※本記事に記載している生活費や必要資金は、筆者の家庭環境(持ち家ローンなし・子ども独立済み)に基づく一例です。年金の繰り上げ受給や退職の判断は、ご自身のライフプランや試算に合わせて慎重にご検討ください。

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